そのマイナンバーカード本物ですか!?

オンライン手続き

マイナンバーカードの発行枚数が8000万を超えて、多くの人が使えるようになっています。写真付きの本確認書類として、運転免許証と並び使われるようになりつつあります。一方で、悪意ある者によるなりすまし詐欺の道具となる場合があります。今回は、5月に話題になった偽造マイナンバーカードを見抜く方法について解説します。

偽造マイナンバーカードを使った成りすまし詐欺の脅威

今年の5月に大阪の市議会議員さんが電話番号を乗っ取られてしまい、被害者名義で勝手に高級腕時計が注文され、詐取されるなどの被害がありました。この事件で使用されたのが顔写真だけを入れ替えた偽造されたマイナンバーカードです。犯人は、被害者が公開していた名前、住所、生年月日をネット上などから手に入れて、偽造マイナンバーカードを作成したようです。

偽造マイナンバーカードを使って、携帯電話ショップで本人に成りすまして勝手に機種変更を済ませた犯人は、さらにネット上で注文した高級腕時計を手に入れて被害が拡大しました。最近は携帯電話番号を使ったショートメッセージサービスが電子決済の本人確認の代わりになっているため、携帯電話番号を奪われてしまうのは非常に危険です。

ICカードリーダーで簡単に見破る方法


偽造マイナンバーカードは、簡単な目視確認程度ではわからないようですが、本物との決定的な違いはICチップの有無と考えられます。本物のマイナンバーカードにはICチップが埋め込まれており、個人情報や証明書が記録されていますが、大半の偽造マイナンバーカードにはそれがありません。ICチップの有無を確認すれば、ほとんどの偽造マイナンバーカードは見つけられ、さらに他人のマイナンバーカードを使って表面だけ加工したような偽造マイナンバーカードでも、ICチップを読み取れば偽造を見抜くことができます。※ICチップは偽造が困難なため、銀行のキャッシュカードやクレジットカードなど多くで採用されています。

ICカードリーダーは、マイナンバーカードに埋め込まれたICチップの情報を読み取るための装置です。このICカードリーダーを使えば、ICチップの有無や記録されている情報が正しいかどうか確認することができ、偽造カードを簡単に見破ることができます。運転免許証やマイナンバーカードの真贋鑑定機はありますが、非常に高額で簡単に導入できません。ICカードリーダーなら3~5千円程度から手に入ります。

必要なものは、ICカードリーダーとWindows10以降のパソコンです。以下は、ICカードリーダーを接続した状態で、確認用ソフトのダウンロードとインストール方法、マイナンバーカードを確認する方法です。※インターネットもソフトをダウンロードしてしまえば、それ以降は無くても大丈夫です。

①券面事項表示ソフトウェアのダウンロード
下記のサイトから「個人番号カード対応版券面事項表示ソフトウェア インストーラ」をダウンロードします。
マイナンバーカード総合サイト(交付申請書等ダウンロード)

②ソフトのインストール
インストーラを実行して、インストールを進めます。

③ソフトを使って、マイナンバーカードを読み取る
確認したいマイナンバーカードをICカードリーダーにセットして、パソコンに接続します。
ソフトを起動して、「個人番号カード」をクリックするとカードの識別が始まります。この段階で、下記の画面が表示されたら正規のICチップが入っていない又はICチップが壊れている可能性があります。別の方法で本人確認をするなど慎重に対応してください。

※念のため、自身のマイナンバーカードを使って正しく表示されるか確認して、パソコンやICカードリーダー側の問題ではないか確認しましょう。

正規のICチップが入っている場合、次の画面に進み、生年月日・有効期限・セキュリティーコードを入力します。セキュリティーコードは、顔写真の下に書かれた四桁の数字です。

確定を押して、和暦・西暦のどちらで誕生年を入力したかを選びます。

画面のようにICチップの中身が読み取れたら、表面に記載された写真や名前などが同じかどうか確認します。大半の偽造マイナンバーカードは、そもそもICチップが入っていない可能性が高いですが、本物のマイナンバーカードの表面だけを加工した偽造マイナンバーカードも考えられるので、読み取れる場合も油断しないようにしましょう。

ICカードリーダー活用の重要性と今後の展望

ICカードリーダーは、まだ一般的に普及しているとは言えませんが、その有用性は非常に高いです。e-Taxですでに使っている方も多く、行政手続きのオンライン化が急速に進んでいるので他にも使い道はたくさん出てくると思います。

運転免許証にもICチップが搭載されていますが、読み込みに暗証番号が必要になっています。一方でマイナンバーカードは、今回のようなマイナンバーカード自体の真贋確認では暗証番号は不要です。運転免許証、マイナンバーカードも暗証番号を忘れてしまっている方が多いので、マイナンバーカードはこの点、優れています。

保険証や運転免許証もマイナンバーカードに統合する予定となっているため、本人確認書類として非常に重要になります。政府も上述の事件を受けて、今回紹介したような確認をスマホでも行えるようにアプリを開発する方針のようで、8月中の提供を目指しているとのことです。そうなれば、誰でも手軽にマイナンバーカードの真偽判定を行えるようになり、セキュリティがさらに向上することが期待されます。

本人確認書類を目視で確認するしかなかった一般の方や中小事業者の方も、マイナンバーカードのICチップ機能で簡単に真贋確認ができるようになりました。一人ひとりがセキュリティ意識を高め、ICカードリーダーのようなツールを活用することで、安全にマイナンバーカードを利用できる社会を目指しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました