AI技術が進化し、私たちの生活に浸透する中、PCセキュリティの重要性も増しています。Windowsに標準搭載されている暗号化機能Bitlockerは、強力な暗号化機能でデータを守ってくれる頼もしい存在ですが、その一方で、使い方を誤ると大変な事態を招く可能性も秘めています。
“Bitlocker”って何?メリットとデメリットを解説
Bitlockerは、PC内のデータを暗号化し、情報漏洩から守るための機能です。万が一PCが盗難・紛失した場合でも、データが漏洩するリスクを大幅に減らすことができます。
メリット
- 強力なセキュリティ:データを暗号化することで、高いレベルのセキュリティを実現できます。
- 簡単な操作:Windowsに標準搭載されており、特別な知識がなくても簡単に利用できます。
- 無料で利用可能:追加費用なしで利用できます。
デメリット
- 回復キーの紛失:回復キーを紛失すると、データにアクセスできなくなる可能性があります。(ここ重要!)
- パフォーマンスへの影響:暗号化・復号処理に時間がかかるため、PCの動作が遅くなる場合があります。
- トラブル発生時の対応:専門知識が必要な場合があります。
Bitlockerを有効にする?無効にする?
Bitlockerは、どんな使い方をしている人に向いているのでしょうか?
Bitlockerを使ったほうがいい方
- 機密情報や個人情報を扱うことが多い
- PCの紛失・盗難のリスクが高い(パソコンを持ち運ぶことが多い、パソコンの設置場所に不特定多数の人が出入りするなど)
- セキュリティを最優先にしたい
上記のような環境や希望が無い場合で、PCの動作速度を重視したい、回復キーの管理に自信がない、トラブル発生時の対応に不安がある方は、Bitlockerを無効にしておくことも可能です。
Bitlocker、実は知らないうちに有効になっていることも⁉
Windowsのアップデートやセキュリティパッチ適用時に、Bitlockerが自動的に有効になる場合があります。また、最近のPCは購入時から有効になっていることが多く、回復キーを控えていなかったため、障害が発生した場合にデータが見られなくなってしまった事例もあります。
Bitlockerの落とし穴:ランサムウェア感染で意図せずロック!?
Windowsのセキュリティ機能「Bitlocker」は、強力なデータ保護の切り札として知られていますが、思わぬ落とし穴があることをご存知でしょうか?
セキュリティソフト大手のカスペルスキーによると、Bitlockerの有効・無効に関わらず、ランサムウェアなどのマルウェア感染によって、意図せずロックされてしまうケースが報告されています。
つまり、Bitlockerを設定していても、ランサムウェアに感染すれば、あなたの大切なデータが人質に取られてしまう可能性があるのです。
これは、Bitlockerが万能ではないことを示しています。Bitlockerの目的は、あくまでデータの暗号化で知らない人が中のデータを見られないようにすることです。セキュリティ対策は多層的に行い、ウイルス対策ソフトの導入や定期的なデータバックアップなど、複合的な対策を講じることが重要です。
データのバックアップも忘れずに!!
Bitlockerの有効・無効に関わらず、「データのバックアップ」は必ず行うようにしましょう。
パソコンが盗まれた際にデータの漏洩を防げても、パソコンに入っていたデータは帰ってこない可能性が高いです。また、PCの故障やランサムウェアに感染するなどでデータにアクセスできなくなっても、バックアップがあれば安心です。暗号化は、記憶媒体の不良発生時のデータ復旧の可能性を低下させる場合があります。
定期的にデータをバックアップし、安全な場所に保管しておくことを心掛けましょう。これこそが、AI時代でも変わらない、PCセキュリティの鉄則です。
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