最近、「AI PC」という言葉を耳にする機会が増えてきました。でも、一体どんなパソコンなのでしょうか?実は、6月18日から各社が一斉に発売するSnapdragon搭載のノートパソコンが、まさにこの「AI PC」と呼ばれる製品なのです。
AI PCの特徴
AI PCの最大の特徴は、このAI処理に特化した専用チップ(NPU)が搭載されていることで、従来のノートパソコンでは難しかったAI処理が可能です。例えば、画像認識や音声認識、自然言語処理などが高速かつ効率的に行えます。AIといえばChatGPTなどが有名ですが、ChatGPTなどはインターネットを介してクラウド上での処理が必要なため、通信速度の問題や混雑による遅延があり、快適に使えないこともありました。
また、セキュリティやプライバシーの面で難しかった情報の処理がノートパソコン内で処理できるようになるため、個人情報などのセンシティブな内容を扱う仕事での活用も期待されています。
なぜ“Snapdragon”なのか?
同じくAI専用チップ内蔵のIntelのCore Ultraプロセッサー搭載のノートパソコンはすでに発売されていますが、今回発売されるSnapdragon搭載のAI PCが特に注目されているのは、AI専用チップの従来のものより性能が高く、さらに省電力だからです。
Snapdragonは、元々スマートフォン向けにQualcommが開発したチップですが、近年ではノートパソコンにも搭載されるようになりました。Snapdragonのようにスマホ向けに開発されたプロセッサを搭載したノートパソコンとして、AppleのMacBookシリーズなどがありますが、SnapdragonのAI専用チップの性能はより高いものになっています。
Windowsを開発しているMicrosoft社は、新しいWindows PCとして「Copilot+ PC」を「次世代AI PC」と位置付けています。「Copilot+ PC」の動作要件を満たすパソコンとして、このSnapdragon搭載PCが先陣を切る予定です。
Snapdragon搭載ノートPCのメリット・デメリット
メリット
- 長時間駆動: Snapdragonは省電力性に優れているため、バッテリー駆動時間が非常に長いです。1日中持ち歩くビジネスマンや学生にとって、これは大きなメリットと言えるでしょう。
- 高速通信: Snapdragon搭載機種の多くは、Wi-Fi7対応でストレスなくネット接続が可能です。
- 薄型軽量: Snapdragonは小型化されているため、AI PCは薄型軽量で持ち運びやすいデザインになっています。
- AI機能: AI処理に特化したチップを搭載しているため、AI機能が充実しています。例えば、音声アシスタントやリアルタイム翻訳、ノイズキャンセリングなどが利用できます。
デメリット
- アプリの互換性: Snapdragonは、Windows PCで一般的なIntelやAMDのプロセッサとは異なるアーキテクチャを採用しているため、一部のアプリが動作しない場合があります。特に業務用ビジネスアプリは要注意!
- 性能: Snapdragonは、デスクトップパソコンのIntelやAMDのハイエンドプロセッサと比較すると、処理性能が劣る場合があります。従来のノートパソコンと比較すると高性能ですが、高性能なデスクトップパソコンと比較すると複雑なゲームや高度な動画編集など、高い処理能力を必要とする作業には向いていないことがあります。
- ファンレスの機種は筐体全体で熱を逃がす構造のため熱くなりやすい。
- 価格: Snapdragon搭載ノートPCは、IntelやAMDのプロセッサを搭載した従来のノートパソコンと比較すると、価格が高めです。
まとめ(AI搭載PCを買ったほうがいい?)
AI PCは、AI処理に特化した高性能なノートパソコンです。6月18日には、各社からSnapdragon搭載のAI PCが発売されます。長時間駆動、常に接続、薄型軽量などのメリットがある一方で、アプリの互換性や性能、価格などのデメリットもあります。
AI PCは、今後ますます進化していくことが予想されます。買換えのタイミングでなければ焦って買い替える必要はないと思います。今後AI技術を活用した新しいサービスやアプリが登場することで、私たちの生活をさらに便利にしてくれるでしょう。必要になったそのタイミングで買い替えることをオススメします。
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